ワイルド・アトランティック・ウェイの南西の端にあるのがスケリッグ周遊道です。沿岸路、ユネスコ世界遺産、銀河の果ての地が並んで存在するこの周遊道は、ロンリープラネットにより「Best in Travel 2017」に選ばれています。なぜここはそれほど特別なのでしょうか…スケリッグ周遊路は、スリル満点の沿岸路で、アイルランドの壮大なワイルド・アトランティック・ウェイにある有名なケリー周遊路から続いています。景観が非常に素晴らしく、美しい山と島の眺めを背景に、手付かずの自然が残る半島やかわいらしい街をくねくねと走っています。スケリッグ周遊路からはスケリッグ諸島が望めます。海岸沖12km(8マイル)の大西洋にそそり立つこの2つの離島は、何世紀もの間、畏敬の地でした。 時は6世紀、岸壁の島、スケリッグ・マイケルに最初に住み着いたのは、孤独を求める修道士たちでした。これらの頑健な修道士たちは、海から島のてっぺんにあるハチの巣の形をした石造りの小屋まで続く約600段の石段を忍耐強く刻みました。その驚くべき景観から、現在この場所はユネスコ世界遺産に指定されています。 スケリッグ・マイケルに上陸して石段を上がり、修道士が残した興味深い小屋にたどり着く経験は、何ごとにも勝ります。 ロンリープラネット しかし、孤立には危険が伴います。記録によると、この島はバイキングの侵略にあい、財宝が奪われただけでなく人々がさらわれたこともありました。しかし結局、あまりにも厳しい気候のため、修道士たちは本島に戻ったのでした。漁師、旅行者、巡礼者 - これまで長い間、多くの人がこの島を訪れましたが、中には銀河の彼方からの訪問者もありました。 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のラスト・シーンでスケリッグ・マイケルがスクリーンに映し出されると、デス・スターの攻撃、ポッド・レース、ダース・ベイダーの正体の解明など、『スター・ウォーズ』の象徴的なシーンが目に浮かんできます。キャスト、クルー、そして観客は皆、目の前にある島はCGIのトリックではなく、アイルランドのワイルド・アトランティック・ウェイに実在する島であることに気づき、愕然とするのです。 これだけの条件がそろったスケリッグ・マイケルが『スター・ウォーズ』のロケ地に選ばれても不思議はありません。 ロンリープラネット スター・ウォーズファンなら、スケリッグ・マイケルの壮大な自然にすぐにお気付きになったでしょう。この島に渡るには、バリンスケリッグスの古い遺跡とバレンシア島近くのポートマギーのレインボー・ハウスから、ライセンスを受けたプライベート・ボートを使います。ルークやレイの足跡をたどりたい方には事前のご予約をお勧めします。1日の訪問者数が制限されており、天気も予測できませんから! しかし、スケリッグの見どころは、趣のある廃墟とジェダイの騎士だけではありません。スケリッグ・マイケルの妹とも言えるリトル・スケリッグは、50,000羽のカツオドリをはじめ、ツノメドリ、ウミガラス、アジサシの生息地です。近海にはクジラやイルカが1年中訪れます。 スケリッグはアイルランド随一のダイビング・スポットでもあり、透明度の高い海でたくさんのイソギンチャク、アザラシ、そして水に飛び込むツノメドリが見られます。 ロンリープラネット スケリッグ周遊路のドライブに戻り、今度はこのルートの美味しいものを探求してみましょう。繊細な味で美しい形をしたスケリッグスチョコレートは、初期の修道士たちの質素な食事とはかなり異なりますが、壮大なパノラマが広がる、三日月形の美しい聖フィニアン湾のビーチを歩くうちに、そんなことは忘れ去ってしまいます。 バレンシア島にあるスケリッグ・エクスペリエンスでは、この島の遺跡や動植物を間近で見られます。また、一方、古くからのゲールタハト(アイルランド語圏)であるバリンスケリッグスでは、お持ちのアイルランド語のスキルをお試しいただけます。『スター・ウォーズ』のキャストやクルーのベースとなったポートマギーも忘れてはなりません。ガストロパブのThe Mooringsにいた人々は、マーク・ハミルがバー・カウンターにやってきて自分でギネスを注いだことをまだ覚えています... スケリッグ周遊路は、おそらくアイルランドで最もカリスマ的な自然の残る、エメラルド色の海岸線です。 ロンリープラネット ロンリープラネットでは、スケリッグ周遊路は「絶対に見逃せない」とコメントされています。そろそろ、この素晴らしいルートに乾杯といきましょうか。